- 若嫁
水中ドローンを使って海底調査!? ~IT漁業の始まり~
こんにちは。
11月は色んな準備期間としてバタバタしている大石水産です。
さて、今回は初めての試みではありますが
“水中ドローン”を使って海底調査を始めました!!
少しカッコつけた言い方にすると
“IT漁業”“スマート水産業”を始めました!とも言えます。(笑)
「なぜ水中ドローン?」
「なぜ漁師が海底調査?」
と、??だらけのことだと思いますので、1つ1つ解説をしていきたいと思います!
◆水中ドローンとは
水中を潜水潜航可能な小型無人機の通称。

操縦者は船上や陸上から遠隔操作による機体の操縦を行うことができます。
こちらは水深約100mまで潜っていくことができます。
有線なので機体が行方不明になることなく安全に操作できますよ。
映像は自分の持っているタブレットまたはスマートフォンを引っ付けて
映像を映しだします。こちらは4K対応なので、海底になにがあるのがしっかり見えます。
※水中ドローンを操縦するためには専用の資格が必要となります。
が、今は1日あれば資格を取得できるため、正直簡単です。
さて、この水中ドローンを使って何の調査をするか一言でいうと
12月から4月に行っている“潜水漁”で獲る本ミル貝やタイラギ貝が
いるかどうかを調査するのに使います。
なぜ、潜水漁にドローンが必要か。紹介しますね。
◆昔とは全く状況が異なる現状
潜水漁の歴史はおよそ100年。
タイラギ貝や本ミル貝が獲れるのは全国でも瀬戸大橋付近の瀬戸内海か愛知県沖付近と
ごく一部の海域しか獲れません。
約50年前は香川県、岡山県の潜水士さん合わせて約160人いました。
160人いても皆、生活には困らないほど稼いで帰ってきてました。
ただ年が経過するごとに、
漁獲量の減少や少子高齢化が原因で潜水士さんの数が年々と減少し
今では香川県、岡山県、合わせて20人ほどに。
人口が減ったら、1人当たりの漁獲量が増えるのかと思えば
漁獲量も非常に減ってます。
地球温暖化が原因かなと言われておりますが、、、
◆過酷な潜水漁

潜水漁は漁の種類の中でも一番【過酷】と言われてます。
理由は
・命綱一本とエアホース(空気を通す管)で海底20~30mに潜る
・潜水病(減圧症)にかかりやすい
・潮の流れが非常に激しい
・サメに襲われる可能性がある
などなど、様々な理由がありますが
とにかく体力勝負と言ってもいいほど過酷です。
特に潜水病は減圧がちゃんとできず、
体全身が痺れ、時には命までが危ないとも言われてます。
そんな潜水漁は
小潮の9日間沖に出たら、大潮の6日間は休むというサイクルの上
朝7時半から14時までと決められた時間でしか漁ができません。
◆水中ドローンができること
そんな厳しい現代と過酷な潜水漁。
よって、潜水漁で獲れた本ミル貝やタイラギ貝は非常に高級な訳です。
(スーパーに出回っていることは稀ですよ。
基本、高級寿司店や料亭にて味わうことができます)
広い海の中、毎年獲れる場所はだいたい決まっていますが
近年はそこにちゃんといるか定かではないのも現状です。
そこで禁漁時期に、海の上から調査できる“水中ドローン”が活躍することで
生産性向上、体力温存、業務の効率化になり
もしかすると、貝の漁獲量が増え流通量も多くなり、価格も少しは下がり
少しでも皆様の食卓へお届けすることができるかも!と
水中ドローンのお陰で誰もがいいことばかりの世の中になるかもです。
◆まとめ
今回は水中ドローンを使うことで潜水漁の生産性が上がることを
紹介しました。ITやテクノロジーと言われているこの世の中、
こんなにドローンが活躍することは想像以上でした。
12月から始まる潜水漁に向けてしっかり準備していきたいと思います。